

利用サービス、ニュース、人物情報に基づく深い顧客理解で、インサイドセールス(BDR)の役割を司令塔に変える
アドビ株式会社
DXマーケティング&セールスデベロップメント本部 執行役員 本部長 祖谷様、インサイドセールス部 マネージャー 松田様
- インサイドセールス
- FORCAS Sales
「世界を変えるデジタル体験を」をミッションに掲げ、業界標準のクリエイティブソフトウェア「Photoshop」や「Illustrator」を含む「Adobe Creative Cloud」、文書のデジタル化や電子サインでドキュメント業務を効率化する「Adobe Document Cloud」、デジタルエクスペリエンスソリューション「Adobe Experience Cloud」の3つのクラウドサービスで優れた顧客体験の提供を支援しているアドビ。特定のエンタープライズ企業に対して戦略的なアプローチを実現させるために、結果を出す営業チームづくりを実現するリサーチプラットフォーム「FORCAS Sales」を導入されています。そこで、導入の背景や実際の活用と効果についてお話を伺いました。

- 導入の目的Purpose
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- インサイドセールスを営業活動の司令塔にする
- 抱えていた課題Subject
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- マーケティングやインサイドセールスの生産性向上
- 属人化を廃した業務プロセスの構築
- 導入効果Result
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- 顧客企業の情報収集にかかる時間が大幅に短縮
- ニュースや人物情報を把握することで提案の質が向上
- セールス担当者と対等な議論ができるようになった
インサイドセールスをセールス活動の司令塔にすべく、FORCAS Salesを導入
― 貴社がFORCAS Salesを導入した背景について教えてください。
松田様 アドビのインサイドセールスは、特定のエンタープライズ企業に対して戦略的にアプローチをすべく、プロセスの全面的な改善を図っています。
戦略的アプローチに欠かせないのは、企業を深く理解し、最適なキーパーソンに最適なタイミングでアプローチをすること。しかし、そのための情報収集が属人的で、提案の質にばらつきが出ることが課題でした。これを解決するにはあらゆる情報が集約されたFORCAS Salesの活用が効果的なのではないかと興味を持ち、祖谷に相談したのが導入のきっかけになりました。
祖谷様 私は、相談を受けて導入を即決しました。決め手は2つあり、1つはインサイドセールスを含めてマーケティングの投資対効果・生産性を高めるために、より洗練された業務プロセスを構築できれば、課題の解決につながると思ったこと。もう1つは、新規顧客開拓を担うインサイドセールス部隊、特にBDR※チームをセールス活動の司令塔にしたいというビジョンにマッチをしていたことです。
※BDR:Business Development Representative。開拓型のインサイドセールスのこと
これまでインサイドセールスは、フィールドセールス(以下、セールス)になるための登竜門のような存在でした。決してそれが悪いわけではなく、インサイドセールスからセールスに転向したメンバーが結果を出しているのは事実です。ただどうしてもインサイドセールスが見習い職である空気がありました。
私はインサイドセールスがセールスと対等に活動ができる、もっと言えば司令塔のような存在になるべきだと考え、インサイドセールスの働き方を変え、組織改革を続けてきました。

その実現のためには、インサイドセールスがセールス以上にお客様の理解を深めて有益な情報を提供できるようになる必要があります。だからこそ、必要な情報が網羅されているFORCAS Salesは、我々のビジョンにマッチした絶対に必要なツールだと思いました。
FORCAS Salesは、メンバー個々のリサーチ行動のログが可視化されるので、パフォーマンスの高いインサイドセールスの行動を振り返ることができるようになります。「アドビのインサイドセールスの成功事例」を積み上げることができますし、ゆくゆくはセールスにもFORCAS Salesを浸透させれば、セールス活動全体の改革につながると期待しています。
提案のヒントが詰まった、良質な情報を活用
― 実際に、どのように活用されているのかを教えてください。
松田様 エンタープライズ企業にアプローチする際は、セールスだけではなくカスタマーサクセスや戦略チーム、SE※など複数の役割が集まってチームを組み、そこに、インサイドセールスがFORCAS Salesを活用して質の良い情報とアポイントを提供しています。
※SE:システムエンジニア
1社あたり約1年をかけてアプローチしていくので、部署やキーパーソンのマップをつくり、それぞれにどのようにアプローチするかの作戦を立てます。そこでFORCAS Salesの情報、特に「利用サービス」「注目ニュース」「人物情報」の情報を活用しています。

「利用サービス」はWebサイトに設置されたタグ情報などが集約されていて、どのドメインにどのような製品・ツールが使われているのかが一目瞭然です。利用サービスを見ながら想像を膨らませて提案を考えられるのがありがたいです。
「注目ニュース」は一般的なニュースに加えて『NewsPicks』の特集記事も読めます。企業のキーパーソンのインタビューが多く、インサイドセールス以外のメンバーからも「特集の中に提案のヒントが入っていた」と言われるようになりました。
また、人事異動の情報が集約されていることにも助けられていて、その情報を元に、新しく着任したキーパーソンにどうアプローチするかをメンバーで話し合う戦略会議の機会も持てるようになりました。
祖谷様 多くの企業の人事異動の情報や決算発表の情報が同じ形式で整っているからわかりやすいですね。他の部署から「自分たちも使いたい」という声も聞こえるようになり、セールス活動全体を変革できる可能性を感じています。
圧倒的な時間短縮と、トークスキル向上を実感
―FORCAS Salesを活用して実感している効果を教えてください。
松田様 まず、これまではGoogle検索などを利用して1時間かけて集めていた情報を10分程度で収集できるようになった感覚があります。必要な情報を網羅できるため取りこぼしもないように思います。BDRとして情報収集など含めたプロセスの標準化を進めていくことができそうです。
そして何より嬉しいのは、セールスがアカウントプランを作成する際に、インサイドセールスは有益な情報を持っているからと、相談してくれる機会が出てきたことです。
たとえば、「人物情報」を見るとCxOクラスの人物情報がまとまっており、その人たちの経歴を見ると興味関心や人のつながりがわかります。
現在の部署の戦略は何かをチェックするのはもちろん、前職はどこで何をしてきたのか、誰とつながりがありそうかという情報をもとに、商談のアイスブレイクで話す内容までチームで議論できるようになり、提案レベルを上げる要素につながっていることを実感しています。
BDRの目標はアポイント取得ではなく、具体的な提案につなげること。アポイントを取って情報を渡して終わりではなく、いかに熟成させてフェーズを上げていくかに取り組むことで、司令塔としての存在価値を高めたいと考えています。
祖谷様 FORCAS Salesを導入したことで、案件数だけではなく、確度の高い良い案件をセールスにパスできるようになっています。事前にしっかりと準備してお客様とコミュニケーションを取り、顕在化したニーズだけでなく、今は意識されていない潜在的なニーズを引き出す一言が言えるようになったのだと思います。
FORCAS Sales は今後もグループ企業情報など、データの拡張・拡充が進むと聞いています。それらをさらに有効活用しながら、よりよい業務プロセスをつくっていきたいです。


- 社名
- アドビ株式会社
- 事業内容
- ソフトウェアおよび関連サービスの提供
- 従業員数
- 約600 名